
自分がリタイアした後、100年存続できる体制を「今」作る。
後継者問題を解決し、自社事業の安定を図る
譲渡企業・譲受企業について
譲渡企業 | 譲受企業 | |
---|---|---|
都道府県 | 埼玉県 | 群馬県 |
業種 | 製造業 | 製造業 |
売上高 | 20億円 | 60億円 |
従業員 | 48人 | 130人 |
背景状況(譲渡理由)
ここなら安心して任せられると確信しました。
2人子供がいますが、全く別業種で仕事をしており、会社にはほとんど関係がなく、後継者になりたいという希望もありません。社内に有望な人材がいましたが、20歳後半でまだ若い。あと20年、少なくとも10年でいろんなことを経験してからでないと難しいと考えていました。また従業員として有能であっても、経営者は考え方の基本的なところが違うので、必ずしも経営者になれるとは限りません。さらに、2人の子供は会社に興味がないとはいえ、親心として現金は残してあげたいという気持ちもありましたので、株式譲渡の方法で後継者を探していました。年齢的に相続まで含めて、M&Aを検討する必要があると感じておりましたが、顧問先の税理士がM&Aに精通しているわけではなかったため、色々情報を収集している中で、会計士・税理士で構成されたチームというお話を聞き、一度相談してみることにしました。担当者の方と何度かお話しさせて頂いた後、ここなら安心して任せることができそうだと感じ、依頼することにしました。
M&Aを行う上で重視した点
「事業の安定性」と「従業員の雇用維持」を最も重視して相手先を選びました。
経営方針が一致することが大切だと考えて、候補先の経営者の方とご面談させて頂きました。会社の従業員が50人の場合、家族もあわせると少なくとも100人以上の人生を経営者は預かっているわけで、当社は従業員を第一に考えて経営しています。そういった基本的な考え方が同じであることを希望しました。経営者になるには人の気持ちがわかる人でないと難しいと思います。また、後継者不在を解決するためだけのM&Aではなく、一緒になったときに自社の事業がより安定するようになるお相手を探すように依頼しました。工場内の機械化が進んだとはいえ、熟練の従業員でなければできない繊細な作業もありますが、熟練の従業員はどんどん減っている状況でした。不景気の時に、会社が従業員をリストラし、景気が回復したからといって、すぐに経験豊富な人が育つわけではありません。これを何回も繰り返せば従業員の熟練度が下がり、製品の品質も低下します。私は不景気の時に仕事がなくならないようにするにはどうしたらいいかをずっと考えていました。不景気の時には、下請け企業へ値下げ圧力がかかることがありますが、同業種で一緒になることで、スケールメリットを生かし、安定して仕事を受注できるのではないか、その結果従業員を解雇する必要がなくすことができるのではないか等、税理士法人小山・ミカタパートナーズさんとご相談する中で色々な視点から検討することができました。最終的に、お相手先は同業種に絞り、いくつかの候補企業の経営者とお会いさせて頂く中で、従業員を第一に考え、また会社規模が3倍ほど大きく複数の会社から安定受注している会社様とご縁を頂くことにしました。
成約後の経営状況
永続的に存続できる企業へと。
従業員を第一に考えるという経営方針がマッチする企業と一緒になりましたので、ほぼすべての従業員が継続して働いています。また、福利厚生もより充実したものになったことで、従業員も今回のM&Aに良い印象を持っています。さらに、人材交流が盛んになったことで、従業員のモチベーションも上がっている様に感じます。双方の技術力がうまく組み合わさったことで、今まで取引頂けなかった企業とも新規取引につながり、事業としても順調に走り始めています。今後、100年間継続する企業になってほしいと願っています。